椎間板ヘルニアは若い人でも起こりうる

 

人体模型などで見たことがあると思いますが、背骨は24個の椎骨が積み重なってできています。その椎骨の間で、背骨にかかる衝撃を和らげるクッションの働きをしているのが、椎間板です。

 

椎間板は中心にゼラチン状の髄核があり、その回りを繊維輪という丈夫な組織が取り巻くという構造になっています。

 

この繊維輪が弾力性を失って、亀裂ができると、中の髄核が飛び出してくることがあります。飛び出した髄核は椎間板の後ろにある神経根を圧迫するので、腰に痛みが起こります。これが背骨に原因があって起こる腰痛のひとつ、椎間板ヘルニアです。ちなみに飛び出した部分をヘルニアと呼びます。

 

椎間板はもともと弾力に富んでいるものなのですが、20代になると次第に水分がなくなり、衰えてきます。ここに無理な力がかかると、繊維輪にひび割れが生じ、ヘルニアが起きてしまうのです。

 

「若いから無理がきく」と思っている20代、30代の人でも、長い時間同じ姿勢でパソコンを操作したり、中腰で作業を続けたりすると、背骨に無理がかかります。その結果椎間板ヘルニアになるケースもあるのです。椎間板ヘルニアは、決してお年寄りの病気ではありません。